嘘と煙草と君とチョコレート
今の私にできる精一杯の笑顔は、
両目に涙を一杯溜めた、とても不細工なものでした。


林さんはゆっくりと私の方を向くと、
また悲しい顔で笑った。

「・・・そんな簡単なもんじゃないでしょ?」


私は素直に頷いた。


本当は、強くなんかない。

耳を塞いで目を伏せて、
今この現実から逃げ出してしまいたいと震えてる。


「あのね---」

私は目をギュッと瞑った。
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