嘘と煙草と君とチョコレート
一気に体が熱くなる。

「そっち行って座って聴きなよ?」

林さんが指差したのは、利光さんの目の前。


「ふぁっ!?」


優希は変な声をあげた後、
私に耳打ちした。

「無理無理無理っ!!
近すぎだしっ!!」

それは耳打ちというか、
むしろ普段の喋り声よりでかかった。

しっかり林さんまで聞こえているみたいだし。

優希の慌てっぷりが面白くて、
私は優希の手を取って
林さんが教えてくれたスペースに座った。

一瞬ためらった優希も、深く息を吐いてから座った。

・・・近い。
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