嘘と煙草と君とチョコレート
拍手の音が響く。


つられて拍手をしながら優希の顔を見ると、
優希は笑いながら私の左側を指差した。

訳が分からないまま左を向くと、
すぐ隣に林さんが立っていた。


「-----!!」


どうやら林さんも
利光さんを見ていたらしい。

優希と利光さんばかり見ていたせいで、
こんなに近くにいる事に気付かなかった。


唖然とする私に気付いたのか、林さんは利光さんから私へと視線を下ろした。


「どうだった?」


「あ、えっと・・・」

目が合っただけでガチガチに緊張してしまう事を知ってか知らずか、
林さんは私の目の前にしゃがみ込んだ。
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