嘘と煙草と君とチョコレート
林さんの声を聞きながらうっとりしていた私は、
優希がいない事に気付いた。

私と林さんが話し始めると、
いつの間にか姿を消している。

箱ライブの時もそうだった。


隣にいて欲しいと目で訴える私に面倒くさそうな顔をして、
一人で手紙を渡しに行かせた。

今考えてみると、
それが優希の優しさなのかもしれない。


林さんから顔を逸らさない(逸らせない)まま
目だけで優希を探していると、
ふと遠くから視線を感じた。
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