嘘と煙草と君とチョコレート
すると林さんはニコッと笑って、
右手を自分の顔の辺りまで挙げた。

私も右手を挙げてそれに応じる。


パチンという乾いた音と共に、
私と林さんの手が触れた。


大きくて温かい手・・・

何が楽しいって訳ではないけど、
しばらく二人でクスクスと笑い合った。


「ヨシ、そろそろ・・・」

どこからともなくやってきた利光さんが、
林さんに耳打ちをした。
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