嘘と煙草と君とチョコレート
17年生きてきて初めて
"一目惚れ"と言うものを経験した。

胸がドキドキして、目をそらす事ができない。

周囲の騒音もギターの音も、何も耳に入らない。

鋭く熱い彼の瞳、
そして力強いだけでなく柔らかい彼の"音"にたまらなく夢中になった。

真っ白なTシャツをわざと強調するかのような黒髪の隙間から流れる汗が、
すごく綺麗だった。


「ねぇ、まじやばいって!!
かっこよすぎだし!!」


頬杖をつく来の肩を叩きながら、
私は繰り返し言った。

無造作にセットされた短めの黒髪、大きな目、白い肌。

"綺麗"という言葉が見事にマッチする。

「やばい・・・
めっちゃストライクなんですけど・・・」



そう、私が夢に描いた理想の男性がそこにいた。
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