嘘と煙草と君とチョコレート
会話が途切れ黙っていると、
林さんは私のピアスをいじり出した。

「これ、可愛いね。」

大きな掌で首もとに触れられているようで、
声が出ない。

爆発しそうな心臓の音を聞かれたくなくて、
私は座ったまま林さんに背を向けた。


「反則だってば・・・」

背中に林さんの視線を感じたけど、
どうしても振り向く事ができない。

心臓がうるさすぎる。
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