嘘と煙草と君とチョコレート
立ったまま背中を眺めていると、
林さんは急にキョロキョロしだした。

「・・・挙動不審だし。」

小さく呟いたと同時に、目が合った。

手招きをしている。

「私!?」

自分の顔を指差しながら聞くと、
林さんは笑いながら大きく頷いた。

もしかして、からかわれてる?


その場から動けずにいると、
誰かに背中をポンポンと叩かれた。

振り返るとそこには優希と亜紀さんがいた。

「さくら、行ってきたら?」

亜紀さんの優しい声に背中を押され、
小さく頷いてから林さんのもとへと走った。

嬉しくてしかたない。
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