嘘と煙草と君とチョコレート
「相変わらず早いねぇ。
まだこれからストリート始めるとこだよ?」

時刻はまだ12時半。

SHIBAのストは毎週1時スタートだけど、
私と優希はいつもこの時間には駅前に到着している。

でも下手すると、メンバーすらまだいない時もある。

「うちら小心者だで、
常に10分前行動だもんっ!!」

優希と声を合わせて言うと、
森江くんは笑った。

そうそう、この笑顔!!

バカ笑いでもなく愛想笑いでもない、
森江くんの笑い方が好きなんだ。


とりあえず優希が買ってきた"青いペプシ"を飲ませて
森江くんのベロを真っ青にした後、
話をしながら、さりげなく林さんを探した。

今日はどんな服を着てるんだろう?

またユ●クロ・・・?


いつもならすぐ見つかるはずなのに、
どこにもいない。

「ねぇ、林さんは?」

私が聞くと、森江くんは眉をしかめた。
< 74 / 380 >

この作品をシェア

pagetop