嘘と煙草と君とチョコレート
あんな身勝手な事を要求して困らせた筈なのに、
全く怒ってる様子がない。

いや、わざとその話題を避けているのかもしれない。


「でも、まだまだ俺には勝てんな。俺はね----」


林さんが言うには、こう。

高校時代かなり頭が良くて、
全国規模の実力テストで何位だったとか、
IQがいくつだったとかなんとか・・・。

顎を持ち上げて自慢げに話す林さん。

ひとしきり話すと満足したのか、
少しの沈黙が流れた。

その瞬間を見計らって、意を決して言った。



「ありがとね。」
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