嘘と煙草と君とチョコレート
ライブが終わりみんなが離れていく中で、

私は一人残りステージを見つめていた。

いつもなら誰よりも早くメンバーのもとへ駆け寄って
"お疲れ様"を言うのだけれど、
今日は違う。

ライブの余韻に浸りたかったのではなく、
少し考えたかった。

他にも林さんのファンは沢山いるのに自分ばかり話し掛けに行って、
周りが全く見えていない。

そんな私に、林さんも嫌気がさしているかもしれない。

どんどん悪い方へと進む考えを遮るように、
誰かに声を掛けられた。


「大丈夫?」
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