嘘と煙草と君とチョコレート
驚いて振り返ると、
林さんが声を殺して笑っている。

文句を言おうと近づくと、
・・・逃げられた!!


「もう!!なんでそういう事するの!!」

必死で追いかけるも、
追いつかない。

「ねぇってば!!」

完全に遊ばれている私。

満面の笑みで広場を走り抜ける林さんと、
顔を真っ赤にして追いかける私。

周りからはどう見えてるんだろう?


しばらく走ると、
林さんはピタッと止まって振り返った。

・・・まだ笑っている。

「もう!!何なの!!」

「だって、暇そうにしとるから。」

全然理由になっていない。


7月の青空に映る林さんの笑顔が
とても眩しかった。

いつの間にか林さんのベースに巻き込まれている。
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