嘘と煙草と君とチョコレート
くしゃくしゃになったアンケート用紙を見つめていると、
すぐ横に気配を感じた。


「-----るね。」


声がする方を向くと、
優しく微笑んだ林さんがいた。

「ん?何?」

よく聞き取れなかったので聞き返すと、
林さんは少し身をかがめた。

一気に距離が縮まる。

「俺、今日バイトあるで帰るね。」

「・・・そっか。」

もっと話がしたかった。

俯いた私の気持ちを悟ったのか、
林さんはもう一度身をかがめて私の顔を覗き込んだ。
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