東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
* * *



「…申し訳ございません」


「成宮は?」


「帰りました…」



「そうか…」



成宮は俺と椿に気を遣い、姿を消してしまった。




「清拭の続きを…」



「いい…これをお前に渡す」



「!?」



俺は成宮が置いて行った『オペラ座の怪』の鑑賞券を渡した。



「これは…」



「…お前が行きたいと言っていた演劇の鑑賞券だ…」



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