東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「帝様と后様も鑑賞されるそうだ」



「そうですか…」



「席はドレスサークルだし…お前もドレスを新調しろ」



「はい」



思い返せば、俺はドレス姿の椿に目を奪われていた。



小娘に心を持っていかれた己を中傷したが。




あの刹那から…俺は椿を愛していた。




「…椿…俺はお前に偽った心を述べていた」



「…征史…さん?」




「…俺はお前を愛してる…だから、お前も俺を愛するんだ」



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