東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
15幕軍人ノ陰陽師
ー椿sideー
舞台は幕が下りたまま、演劇が上演される気配がない。
階下の観覧席の人たちも騒ぎ始める。
そんな折に何者か私に座るサークルに飛び込んで来た。
銀色の髪に紅い瞳の外国人。
正装の燕尾服を卒なく着こなしていた。
でも、彼の白いシャツは真っ赤に染まってる。
染料の色ではなく血の色だーーー・・・
「貴様はあの軍人の陰陽師の妻だな…同じ匂いがする…」
階下の観覧席の人たちも騒ぎ始める。
そんな折に何者か私に座るサークルに飛び込んで来た。
銀色の髪に紅い瞳の外国人。
正装の燕尾服を卒なく着こなしていた。
でも、彼の白いシャツは真っ赤に染まってる。
染料の色ではなく血の色だーーー・・・
「貴様はあの軍人の陰陽師の妻だな…同じ匂いがする…」