東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「見つけたぞ!!」



征史さんが私を救いに現れた。



「ふん」



男性は私の背後に回って首筋に顔を埋める。



「近づいてみろ…この女の首を噛むぞ!!俺と同じヴァンパイアにしてやる!!」



「・・・!?何だ…この血はっ!?」



突然、男性が私を突き飛ばした。


前のめりに倒れる私の肩を征史さんが支えてくれた。



「早く…止めを刺せ!!御堂中尉」

黒い服の男性が征史さんに叫んだ。



征史さんが私を背中に隠して、軍刀で斬りかかった。


「俺は不死身だ…死なねぇんだよ_!!」


負け惜しみとも思える台詞。



既に彼の姿は消えかかっていた。


征史さんはもう一度、心臓に向かって刃を突き刺す。




貫いた刃は綺麗な銀色の閃光に包まれた。彼の姿は完全に消えてしまった。








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