東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
ー征史side-
『陰陽庁』の者も軍人階級を持っていたが、海軍か陸軍かは曖昧だった。
陸軍から移籍した者は俺だけだった。
「赤星庁長以下…幹部階級の人間は貴様を陸軍のスパイだと噂してる…」
『特務』の任務長である安倍大佐が俺にそっと教えてくれた。
「ただの噂だ…」
「…貴様の力をみんな…脅威に感じているんだ…一人でヴァンパイア化した連中を倒し、帝様をお救いして、立派に封印したんだ」
「封印したのは俺では無い!」
俺以外にもう一人…成宮の下僕と名乗る黒服の男がいた。
でも、椿も他の者も誰一人…そのような男は目撃していないと口を揃える。
「そろそろ…祈祷の時間です。安倍任務長」
「あ、ありがとう…樋川」
安倍任務長は護国の祈りを捧げに
帝居の奥にある祈祷殿へと向かった。
帝家の祭事事を司るのも『陰陽庁』の役目だった。
陸軍から移籍した者は俺だけだった。
「赤星庁長以下…幹部階級の人間は貴様を陸軍のスパイだと噂してる…」
『特務』の任務長である安倍大佐が俺にそっと教えてくれた。
「ただの噂だ…」
「…貴様の力をみんな…脅威に感じているんだ…一人でヴァンパイア化した連中を倒し、帝様をお救いして、立派に封印したんだ」
「封印したのは俺では無い!」
俺以外にもう一人…成宮の下僕と名乗る黒服の男がいた。
でも、椿も他の者も誰一人…そのような男は目撃していないと口を揃える。
「そろそろ…祈祷の時間です。安倍任務長」
「あ、ありがとう…樋川」
安倍任務長は護国の祈りを捧げに
帝居の奥にある祈祷殿へと向かった。
帝家の祭事事を司るのも『陰陽庁』の役目だった。