東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
* * *


寺に戻り、拝殿の中で鵺を待った。



「…今夜の月は青い月か…不吉の前兆だな…」



「不吉?あの青い月は『ブルームーン』と言って…見ると幸せになれるんですよ。御堂少佐」



「…幸せになれる?」



俺は時々、樋川や成宮との会話の中で違和感を感じていた。


考え方の相違と言うか…成宮の言葉の中にも意味不明な日本語が存在した。



根本的にこの二人は今の時代に不釣り合いな異分子に見える。











< 157 / 300 >

この作品をシェア

pagetop