東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「「!!?」」
次の瞬間、轟音と共に拝殿の屋根が崩れ落ちて来る。
樋川が俺に手を伸ばした。
「大丈夫か?」
瓦礫の下敷きになったかと思ったが、目の前には裏のため池が見える。
「樋川?」
成宮の下僕だと名乗っていた黒服の男が俺の隣に佇んでいた。
「樋川お前が…?」
「…蒼い月の力が鵺に厄介な力を授けているらしいな…」
男は碧眼の瞳で鵺を見つめる。
鳥の羽根と人の姿を持つ妖・鵺。
空いた男の右腕に豪奢な鞘に収まった大太刀がどこからともなく現れた。
次の瞬間、轟音と共に拝殿の屋根が崩れ落ちて来る。
樋川が俺に手を伸ばした。
「大丈夫か?」
瓦礫の下敷きになったかと思ったが、目の前には裏のため池が見える。
「樋川?」
成宮の下僕だと名乗っていた黒服の男が俺の隣に佇んでいた。
「樋川お前が…?」
「…蒼い月の力が鵺に厄介な力を授けているらしいな…」
男は碧眼の瞳で鵺を見つめる。
鳥の羽根と人の姿を持つ妖・鵺。
空いた男の右腕に豪奢な鞘に収まった大太刀がどこからともなく現れた。