東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「はい…」



「すまないが…窓の外を見せてくれないか?」



「・・・いいですけど…御堂さん…何を見ても驚かないで下さい…」



千愛さんは俺の頼みを訊き入れてくれた。



「ああ…」


千愛さんは椅子を引いて立ち上がり、一気に窓のカーテンを引いた。



全面硝子の向うに広がるのはアメリカのニューヨークのような高層建物の街。



「ここはどこだ?本当に1930年の世界か!?」



「今は2024年…ここは東京です…御堂さん貴方は…時を超えて94年後の未来にトリップしたんですよ」



-ーー俺の居るべき場所ではない…



「…俺は…どうして?これは鵺の力なのか!?」


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