東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…やり方は教えたし…後は自分でしてくださいね…御堂さん」



「ありがとう…」



千愛さんは俺を置いて出て行った。


* * *



応接間に戻ると、千愛さんはソファーに腰を下ろして、本を読んでいた。



「本を読んでるのか?」


「本は本でも台本…」



「台本?」



「私…女優なの」



「女優?千愛さんは…舞台や映画に出ているのか?」


「まぁ…」


椿に瓜二つの女性の職業が女優とは…意外だった。
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