東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
嘘をついても千愛さんには見透かされていた。



「私を熱っぽい目で見るんだもん…」



「…他人の空似とは思えない位…似ているんだ…」



「貴方も私の好きな人に似てるの…」



「えっ!?」


俺は千愛さんが好意を寄せている男性に瓜二つなのか!?


だから、彼女は甲斐甲斐しく俺に尽くすのかーーー・・・


「次の台詞…読んで」



「・・・」


台詞と言われても…台詞は無言だが…



千愛さんの両手が俺の首許に巻き付く。そのまま、彼女から俺の唇に唇を重ねて来た。


俺たちは接吻を交わした。


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