東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》

ー征史sideー

俺の目の前に俺と同じ苗字を持つ男が現れた。



「俺は御堂海里」



「…俺は御堂征史だ」


彼の顔は俺と瓜二つ。

他人の空似とは思えないほど似ていた。


「千愛…こいつは俺が預かる」


「えっ!?でも・・・」


「…俺と来い…お前は俺の先祖だ…そうだろ?」



「苗字は同じだが…」


「…同じ顔のワケも知りたくないか?俺がお前を元の世界に戻してやる」




「…千愛さん…世話になった…俺は御堂海里の世話になる…」



「待って!?」



「…千愛…これ以上…ヤツには関わるな…下手をすれば…歴史が変わってしまうぞ」


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