東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
御堂海里は何度も親しげに千愛さんを呼び捨てた。


「せっかく…出会ったのに…」


「早く…来い!!」



俺との別れを惜しむ千愛さんを置いて、海里と玄関先に向かった。



「待って!!」


千愛さんは大きな紙袋と軍刀を持って来た。



「お前…『村柾』を持ってるのか…」


「ああ…貴様も俺の子孫なら『村柾』は伝承されているよな」


「・・・まぁな」





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