東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「千愛は椿の生まれ変わりだ…そして俺はお前の生まれ変わり…」



「そんな事が現実にあるのか!?」


「現に俺はこうしてお前の目の前に存在して車を運転している…互いに中尊寺家…御堂家を血を引き…再び、転生した…元々…お前の母親の土御門家は帝家と同じ縁の深い一族」



「帝様と!?」



「…帝家の血は古の神話にも出て来る神の血を引いている。それは神話ではなく事実だ。『土御門家』には他の陰陽師の一族にはない『玉依り』と言う特別な力を持っている」



「…『玉依り』?」




「…霊や妖を操る力だ…」



「・・・」



「…『村柾』を貸せ…」



自動車を端に寄せて停車させた。



俺は海里に言われるままに後部座席に置いた『村征』を渡した。



海里が『村柾』を手にした途端、横笛に変化した。
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