東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…父上は何をしているんだ!?」


「お前の父親は満州事変の翌年の3月に癌で死んでいる…」



「あの父上が!?」



「…どこまで把握した??」



「大東亜戦争までは…理解していない…」



「…そうか…」


海里は書斎を出て行った。



俺は本を読み続ける。



海里が何かを持って戻って来た。



「ビールだ…」



千愛さんの部屋でも飲んだ缶ビールだった。


「ホットチョコレートよりもそちらの方が良い」



「このホットチョコレート…店では人気ドリンクなんだぞ…たくっ」


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