東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「南方の島なのか…」
「そうだ…御堂貴様はどこまで歴史を把握した…」
「満州事変…日中戦争までは一応、訊いた」
「…そうか…元々日本の利益と関心は中国大陸にあっただけだ。それを世界中から非難され、石油の禁輸で経済封鎖されてしまう。やむ得ず…東南アジアの石油地帯を求めて軍部は占領を推し進めていった。それが南の島が戦場となった言われだ…」
「・・・」
「…インドネシア、ボルネオ…原油産地の安定的に維持するならソロモン、ニューギニアをそしてインド…そこまでおさえないと米英豪軍の圧力は防げないと軍部が理解していた。しかし、もともとそれは国力、軍事力を超えた作戦。あっさりと1年も経たない間に補給も不十分で戦線もままならないまま…連合軍に破られてしまった…」
「…ガダルカナルの戦いはその一つか…」
「…既にこの戦争は最初から…日本の敗北は見えていた。精神力だけでは勝てない。索敵能力も通信能力も未熟、精神的な理論ばかりを叩きこみ、近代戦で重要な偵察、情報収集、通信をおろそかにした軍事教育の結果だ。もっと敵を知り…情報を入手し、それを分析していれば…」
「そうだ…御堂貴様はどこまで歴史を把握した…」
「満州事変…日中戦争までは一応、訊いた」
「…そうか…元々日本の利益と関心は中国大陸にあっただけだ。それを世界中から非難され、石油の禁輸で経済封鎖されてしまう。やむ得ず…東南アジアの石油地帯を求めて軍部は占領を推し進めていった。それが南の島が戦場となった言われだ…」
「・・・」
「…インドネシア、ボルネオ…原油産地の安定的に維持するならソロモン、ニューギニアをそしてインド…そこまでおさえないと米英豪軍の圧力は防げないと軍部が理解していた。しかし、もともとそれは国力、軍事力を超えた作戦。あっさりと1年も経たない間に補給も不十分で戦線もままならないまま…連合軍に破られてしまった…」
「…ガダルカナルの戦いはその一つか…」
「…既にこの戦争は最初から…日本の敗北は見えていた。精神力だけでは勝てない。索敵能力も通信能力も未熟、精神的な理論ばかりを叩きこみ、近代戦で重要な偵察、情報収集、通信をおろそかにした軍事教育の結果だ。もっと敵を知り…情報を入手し、それを分析していれば…」