東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
22幕 嫉妬

ー千愛side-

私は征史さんに抱かれたーーー・・・



彼には申し訳ないけど、心の中では海里を思っていた。



海里と征史さんは他人の空似じゃない。



私は過ちを犯したとは思っていない。



征史さんは前世の海里だから。



「!?」



目覚めると征史さんの姿がない。



私は身体を起こして征史さんの姿を探した。



征史さんは障子を開けて、硝子越しに優しい朝の陽射しを浴びた海岸を見つめていた。


高台にある旅館から見える熱海の海は絶景。







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