東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「おはよう…」



「ん、あ…おはよう…千愛さん」



朝の陽光のような征史さんのほほえみに私の胸が痛み出す。



海里の代わり身として利用した事に罪悪感があるようだ。



欲望は満たされても…何処か罪深い感じが否めない。


「千愛さん?」



私は肘掛椅子に腰を下ろす征史さんの膝に向かい合わせに座った。


夜が明けたと言うのに…私はまだ、罪を犯そうとしているーーー・・・



背徳的だ…



「…征史さん…抱いて」



「…貴方の気持ちにはこれ以上…応えられない…」



「…貴方は私を椿さんだと思えばいいのよ!」



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