東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…まだ、足りぬか?貴様の欲望はどれだけ深いんだ…」



「違う…そうじゃない…俺は海里と…現世の自分と千愛さんを何としても結びつけたい」


「やはり…貴様に激似の御堂海里は貴様の来世の姿か…運命の悪戯か?…何も知らなければ…千愛に手を出していたのに…余計な事を知り過ぎた…」




「はっ?」



「…娘にしておくのは惜しい位…いい女だからな…」



栗原中尉は俺の襟元から手を離し、嫉妬深げに見つめた。



前世も今世も椿は男の色目を惹く女らしい…



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