東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
幕末、公武合体論や尊皇攘夷を拠り所とし、討幕派で歴史に名を遺した長州藩の武士の血を引く我が一族。



父はその血を忠実に継承し、大戦で国に貢献した。


何の選択肢もなく、否応なしに俺は軍人に仕立てられた。


俺は幾重にも幕を引いて、真の胸の内をひた隠して軍人となった。



犠牲は俺一人でいいと…


嫡子である家族を持たず、生涯独身を貫く事が父に対する細やかな抵抗だった。



なのにーーー・・・



父は俺の胸の内を読んでいるのか…抵抗する事すら許さない。






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