東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
俺の伴侶の名は椿。


初めて見た途端、どんな時でも沈着冷静な鋼鉄のような俺の心に雷が落ちたような衝撃を受けた。


俺とした事が一九歳の小娘に魂を抜かれてしまった。



淡い桜色のドレスを纏い、黒髪を結い上げ、着飾った姿。


清楚な印象を受けたが同時に女性の色香を醸し出していた。



俺は彼女に嫌われようとこの場に来た…



まさか、一瞬で彼女に魅了されるとは…


俺は男としては未熟だった。



それとも、無垢な振りをして彼女の正体は男を惑わす魔性の女子。


俺の渾身の力で掴めば折れそうな弱々しい細い腕。

得体の知れない思いを抱かせる目の前のか弱い存在の彼女に俺は興味をそそられた。







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