東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
俺は小笠原中将の言葉に腰を上げて廊下に出た。



帝居内では発砲は禁止。


軍刀で斬る事は許可されていた。



1階の出入り口付近に暴漢らしき男性の姿があった。



男性の右手には軍刀。


男性を追った『警備庁』の男が夥しい血を流して倒れ込んでいた。


あの血だまり…多分死んでいる。



死んだと思われる男に向かった何度も何度も刃を突き刺す。


その執拗な残酷さに周囲を囲む連中の身体は震えていた。















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