東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…御堂少佐…ヤツの致命傷は首を切り落とすか…心臓一突きするんだ」


樋川が俺に近づき、耳打ちした。



「わかった…」


俺は階段を駆け下りて、男に近づいていく。



「貴様らどけっ!!俺がヤツを仕留める!!」



震える連中を押しのけて、『村征』を鞘から引き抜きながら…男に斬りかかった。


男性は俺の姿に気づき、軍刀を振り上げるが一歩遅かった。



『村征』が男性の心臓を一突き。



鈍い音が訊こえて、男の背中を銀色の刃が貫いた。


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