東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「禁断の魔方陣を操る俺はもはや堕天使だ…熾天使ではない」



「…栗原お前…!?」



「…樋川に椎名…貴様らがこの時代に居る意味は無くなった…さっさと帰れ…」




「…俺は・・・」



「…俺が赤星一族から…御堂少佐と椿を護ってやる…二人の来世は変わってしまうかもしれないが…どうしてもダメな事なのか?樋川」



「…俺はお前を失いたくない…栗原…」



「では、御堂夫妻の薄幸の運命を見過ごすのか?」



「それは…」



「…赤星さえいなければ…未来の淀みも少しは薄くなる…」



「淀み?」


「見えない闇だ・・・人である御堂少佐には理解出来まい」


栗原中尉は俺を小馬鹿にして、空の盃に酒を注いだ。




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