東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…母上は僕を非国民にしたい訳?」
「…それは・・・」
戦局は熾烈さを極めていた。
報道は事実を隠してるが…戦況は思わしくない。連敗続きで戦兵不足は深刻だった。
戦兵不足を補う為に高等教育機関に在籍する20歳以上の文科系の学生を在学途中に徴兵し出兵させる法案が密かに作られていた。
「でも…」
「僕も軍人の息子だ!」
「貴方を失えば…私はどうしたらいいの?私は御堂家を・・・」
「…定子さん…貴方だって御堂家の人間ですよ。清史を失ったからと言って…俺は貴方を追い出しません」
「…兄上…」
「徴兵検査に合格すればの話だ…落ちたら潔く諦めろ…清史」
「…それは・・・」
戦局は熾烈さを極めていた。
報道は事実を隠してるが…戦況は思わしくない。連敗続きで戦兵不足は深刻だった。
戦兵不足を補う為に高等教育機関に在籍する20歳以上の文科系の学生を在学途中に徴兵し出兵させる法案が密かに作られていた。
「でも…」
「僕も軍人の息子だ!」
「貴方を失えば…私はどうしたらいいの?私は御堂家を・・・」
「…定子さん…貴方だって御堂家の人間ですよ。清史を失ったからと言って…俺は貴方を追い出しません」
「…兄上…」
「徴兵検査に合格すればの話だ…落ちたら潔く諦めろ…清史」