東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》

ー千愛side-

征史さんが元の時代に戻り、前世の記憶を思い出すなんて皮肉だった。


彼も弟の清史さんもサイパン島で戦死。




私は海里の部屋でクリスマスイブを過ごす。



今日は海里の誕生日。



「…おめでとう…海里」



「サンキュー…千愛」



海里は自分の作ったシベリアケーキで誕生日を祝う。


「…お前…好きだっただろ?シベリア」



「…前世の私がね…」



「今は嫌いなのか?」


「嫌いじゃないけど…」


「じゃあ~食えよ」



「誰の誕生日かわからないわね」



「そうだな」


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