東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
《オマケ》思イ出ノ夜会

ー征史side-

「御堂…俺に相談とは何だ?」



「いや…その…」


屋敷に居候している元・使用人の息子・成宮の部屋を深夜…訊ねた。



「まぁ、いい…貴様の持ってる果実酒を呑もう」


「そーだな」



俺は持って来た果実酒の栓を開けて、グラスに注いだ。



「この果実酒は仏蘭西産だ」



「そうか…なかなか頃合いに熟され、芳醇な香りがする」


成宮が果実酒の匂いを嗅ぎ、満足げに微笑む。



「これは肴のチーズだ…」



「御堂貴様にしては…気が利くな」


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