東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…相談とは見合いの事か?」



「何だ…貴様…分かっておったのか…なら話は早い」



「断るのか?」



「俺は誰とも結婚する気などない」



「…ふーん。御堂貴様が男色とは知らなかった…」




「はぁ?」

俺は眉を歪めて、成宮を睨む。



「断じてそのような事はないぞ!!成宮!!俺が相手致すのは女子だけで男など…口にするだけでも汚らわしい…」



「だったら、そのまま結婚すればいいだろっ?」



「しかし…」



「それよりも…御堂…縁談相手に会うのは夜会だろ?貴様…ダンスは踊れるのか?」


「ダ、ダダダダンス!!?それは…成宮貴様は踊れるのか?」



「…紳士の嗜みだろ?元は御堂家の使用人の息子だが…上流階級で生きていく為に…俺は会得した。仕方がない…俺が教えてやるよ…御堂」


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