東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「まぁ、俺は貴様の旦那になる男だ…肩代わりしてくれと土下座をして頼めば…してやらん事もないが…」


土下座って…?



「嫌か?」


「私は仮にも華族の令嬢です!人に頭を下げるなど…」


「…では、手っ取り早く金が手に入る…高給な仕事を紹介しようか?」



「仕事?私にもできますか?」

私はお父様の負担を少しでも軽くしてあげたかった。


「大きな声では言えない…俺の膝の上に来い」



「!?」



私は教えてもらいたい一心で、中尉殿の太腿を跨ぐ形で膝に乗った。



「…父親の為なら…男の膝に上に乗るか…令嬢にしては些か…貞操観念が緩いな…」



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