東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「失礼します…」
樋川は俺の様子を見てニヤリと笑い、出て行った。
「違うと言っておろうが…たくっ」
「何…樋川と内緒話か?」
屋敷に居候している成宮が興味津々に入って来た。
「別に…」
「…婚約者の椿さんの名前が訊こえたが…」
「何だ盗み聞きしていたのか…無粋だぞ…成宮」
「…それはすまないな」
成宮は単調な声で謝罪の言葉を口にする。
ヤツに反省の色など全く見えない。
樋川は俺の様子を見てニヤリと笑い、出て行った。
「違うと言っておろうが…たくっ」
「何…樋川と内緒話か?」
屋敷に居候している成宮が興味津々に入って来た。
「別に…」
「…婚約者の椿さんの名前が訊こえたが…」
「何だ盗み聞きしていたのか…無粋だぞ…成宮」
「…それはすまないな」
成宮は単調な声で謝罪の言葉を口にする。
ヤツに反省の色など全く見えない。