東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
朝食の献立は洋食。


目玉焼きにトマトとオレンジ…バケットに珈琲。



私の目の前には征史さんが座り、黙ってバケットを齧っていた。



「・・・」


伏し目がちな征史さんの二つの瞳。


睫毛が長く上向きだった。



顔を俯かせながら、上目で私を見つめる。



「俺の顔に何かついてるのか?」



「いえ…別に…」



「黎明を迎えた若夫婦っていいな…」



「おいっ!?成宮貴様…余計な事を言うな!!斬るぞ!!」

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