東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…では行って参るぞ」
御堂陸相を見送ろうと屋敷総出で玄関ポーチに並ぶ。
「…定子お前に椿さんの教育は任せたぞ…御堂家の嫁として恥ずかしくない教育を施してくれ」
「わかっております。旦那様」
定子さんが私の教育係。
私を目の敵にしているから厳しいだろうなぁ。
耐えられるかしら?
不意に御堂陸相の鞄を持っていた樋川さんと目が合った。
かってはお父様の財相時代に秘書官を務めていた人。
私とも顔見知りで…お父様はしきりに彼を私の婚約者に押していた。
でも、樋川さんにはお父様の話を断り続けた。そして、狙撃事件…。
彼も負傷したけど…軽傷で、そのまま…お父様の秘書官を辞めて、御堂陸相の秘書官になってしまった。
御堂陸相を見送ろうと屋敷総出で玄関ポーチに並ぶ。
「…定子お前に椿さんの教育は任せたぞ…御堂家の嫁として恥ずかしくない教育を施してくれ」
「わかっております。旦那様」
定子さんが私の教育係。
私を目の敵にしているから厳しいだろうなぁ。
耐えられるかしら?
不意に御堂陸相の鞄を持っていた樋川さんと目が合った。
かってはお父様の財相時代に秘書官を務めていた人。
私とも顔見知りで…お父様はしきりに彼を私の婚約者に押していた。
でも、樋川さんにはお父様の話を断り続けた。そして、狙撃事件…。
彼も負傷したけど…軽傷で、そのまま…お父様の秘書官を辞めて、御堂陸相の秘書官になってしまった。