東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「今度…帝国劇場で6月に演劇が上演させるらしい」
「へぇ~っ。演劇ですか…私…一度もまだ、演劇は観に行った事ないんです」
二人で応接のソファーに座り、和訳された小説の話で盛り上がる。
清史さんは修学院中等科2年生14歳。
生まれつき身体が弱いと征史さんから訊いていた。
「兄上にお願いすれば観に連れて行ってくれるよ…兄上はお優しい人だから…」
「優しい?征史さんが?」
私には命令口調で冷血な表情しか見せない。
でも、優しい所作は垣間見れるけど…
優しいと清史さんのように断言は出来ない。
時が経てば…征史さんも清史さんと同じように私に対しても、優しい態度で接してくれるのかな?
「へぇ~っ。演劇ですか…私…一度もまだ、演劇は観に行った事ないんです」
二人で応接のソファーに座り、和訳された小説の話で盛り上がる。
清史さんは修学院中等科2年生14歳。
生まれつき身体が弱いと征史さんから訊いていた。
「兄上にお願いすれば観に連れて行ってくれるよ…兄上はお優しい人だから…」
「優しい?征史さんが?」
私には命令口調で冷血な表情しか見せない。
でも、優しい所作は垣間見れるけど…
優しいと清史さんのように断言は出来ない。
時が経てば…征史さんも清史さんと同じように私に対しても、優しい態度で接してくれるのかな?