東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
10幕 契リノ印
ー征史sideー
俺は夕食後、定子さんに応接間に呼び出された。
「…椿が清史を?」
「…椿さんは清史を手籠めにして…御堂家を乗っ取る気です」
「…次期…当主はこの俺だ。椿が清史を手籠めした所で…何の得にもならないと思うが…」
「初心な顔をして椿さん…中身は遊女ですよ」
俺には定子さんの方が御堂家を乗っ取ろうと影で暗躍している風に見えていた。
元は平民出身。
今は軍閥の御堂家の正妻となり何不自由のない暮らしをしている。
椿は令嬢だし、野心など持っていない。
「まぁ、定子さんの言いたい事はわかりました。椿には清史に近づかないように言い聞かせておきます」
「ありがとうございます…征史さん」
「では、失礼」
「…椿が清史を?」
「…椿さんは清史を手籠めにして…御堂家を乗っ取る気です」
「…次期…当主はこの俺だ。椿が清史を手籠めした所で…何の得にもならないと思うが…」
「初心な顔をして椿さん…中身は遊女ですよ」
俺には定子さんの方が御堂家を乗っ取ろうと影で暗躍している風に見えていた。
元は平民出身。
今は軍閥の御堂家の正妻となり何不自由のない暮らしをしている。
椿は令嬢だし、野心など持っていない。
「まぁ、定子さんの言いたい事はわかりました。椿には清史に近づかないように言い聞かせておきます」
「ありがとうございます…征史さん」
「では、失礼」