東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
11幕 帝都復興祭

ー征史sideー

椿は俺の妻だと言うのに…周囲に群がる男の影は気に食わなかった。



結婚しても彼女の貞操を奪わず、1年後には離縁しようと考えていたのに。



俺は椿の貞操を奪ってしまった。



首筋に印まで残した。




「御堂中尉殿…先ほどから溜息ばかりついて警備の配置に何か問題でも?」



「いや…何も問題はない」



警察署にて、連携する警察官たちと警備について入念に策を練っていた。



帝様は我々を信じて、巡行なさる…その思いに警察も陸軍も一団となり尽力を尽くす所存だ。




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