神竜Ⅰ
諒side
月香「私、自分の目の前にいたのになにも
でなかった。ハハ、笑っちゃうね…。自分
は無力だって思い知らされた。甘えてた自
分が吐き気がするほどキライだった」
自嘲気味に笑う月香。
お願いだからそんな顔で笑うな。
月香「そんな私に、玲央が『いつまでクヨク
ヨしてるんだ。そんなで李斗が安心できる
と思ってんのか?いまよりも強くなって、今
度こそお前が守ってやればいいだろ』って
言ったの」
そうか。だから、玲央さんと月香に計り知
れない絆を感じたんだ。
月香「だから私はみんなを絶対に守る。龍に手は出させない」
あぁ。いまやっと分かった。
こいつの強さは周りを守るために自分が強
くなれるところなんだ。
俺は力強い瞳で見てくる、月香を見てそう
感じた。