【完】コンカツ!〜恋人いない歴=年齢のアラサー女子が婚活した結果www〜
「おっかしいな〜」
照明の近くで撮って、光で飛ばしているものの、肌が綺麗に写っていない。
もともと百瀬は肌が弱く、今でこそニキビはなくなったものの、ニキビ跡が残ってしまっている。そのため人に顔を見られることが苦手だ。
メイクを覚えて、お手入れもいろいろ試して、以前より綺麗になってきたことで少しずつ自信は育ててきているが、それでも写真には現実が映る。
「はぁ現実…」
気を取り直して、何枚かアングルを変えて撮る。
無理やり笑顔を作っていたため、顔が引きつりだす。
どの写真を見ても、目の必死さがやばい。
「はぁ〜、普段からもっと自撮りしておけばよかったなぁ。綺麗になる研究、しておけばよかったなぁ…」
青春。
恋愛。
女性性。
異性受け。
20代の間、戦ってきたテーマが、総決算のように立ちはだかる。
「はあぁぁぁ〜。ダメだなぁ、私…。可愛くない…」
百瀬はその夜、やまほど撮った写真の中で、まだまともそうなものを選び、得意の画像編集でざっくりと修正を施し、殿方に送った。