上々、花日和
時間はどのくらい経ったのかわからないくらいよく食べ、よく飲み、笑った。
こういうのは久しぶりだ。
「あー!よく飲んだ!」
「だね!」
昼間の熱い空気を少し残しつつも今はずっと涼しい。
「ハナちゃんは明日からの予定は決まってるの?」
コンビニで買い物をしてホテルに帰る途中、ミネラルウォーターを飲みながら永富さんが言う。
「特に…できれば静かな所でゆっくりできればいいです」
「買い物とかしないんだ」
「うん、まあ…そこまでがっついていない…かな」
「そっか。面白いコだね」
「うーん、ガイドブックは見たんですけどね。海辺を散歩とか、公園で読書とか…日常じゃない場所でゆっくりできればいいかな、って」
「へぇ」
つまんない女、って思われたかもしれない。でもそれが本音。
「エワビーチ」
ポツリと永富さんが言った。
「えわ…?」
「ハナちゃん、明日俺と一緒にエワビーチ行かない?」